なんで「制作6割・その後4割」って書いたのか
前回の日誌でこんな事を書いたら、
- 「制作」「更新」「SEO」「ブログ」「各種ネット広告(リスティングなど)」は、全て別々にその都度考えるのでは、本当はダメ。制作する段階で、6割がた方向性は決まる。
- でも、残り4割は制作後の頑張りで挽回は可能。
- それでも、最初の6割ってのはかなり大きい。だから制作は慎重に。
いやいやもっと更新なり運用なりの割合が高いのではないかというご意見を複数頂いた。
まぁ確かにその通りで、あれを書くときも「割合をどうするか」ってけっこう何回も書き直した。
でも制作の割合を大きめに書いたのには理由があって。
作り直した方がマシなサイトが多すぎた
あの講習会は歯科医師さん(しかもけっこうご年配の)向けのもので、言ってしまえばWebリテラシーの底辺にいる方々である。
その辺の層の方々って、Webのことが分からないのは別に悪いことではないし責めるつもりもないし、そこをうまくフォローしてあげるのがWeb屋の仕事だと思うのだけれど。
でも、そういう方々に限って、運用のやり方をちゃんとしてくれない業者に制作依頼しちゃったりするもので。
で、実際にそういう業者が作ったサイトを見て何か対策しようと思っても、作りからしてひどくて、何も考えられてなくて、更新したくてもこれじゃどうやって更新するのさ!こんなサイトじゃ「更新しましょう!」って提案すらできんじゃん!・・・ってことが多くて。
こんなサイトなら作り直した方がまだいいんじゃねーの、と思うがこちらも有志でやっているのではなくてお仕事なので、制作自体やり直すならそれなりに対価は欲しいからどうしても予算が出ない場合、そのひどいサイトの枠内でやらなきゃいけない。
場合によっては、最初制作した会社との契約が一定期間切れないからどうにも身動きが取れないってことがある。
今回参加してくださった先生の中には、リニューアル契約をしてまだそのサイトがローンチしてないのに既に不満だらけで、私から見ても明らかに「サーバ乗り換えて数多く運営している無料ブログを全部1つのCMSに統合してやればいろいろ幸せになれるのに…」という医院さんがあった。
そこの方もそれを望んでいるが、契約+予算の関係上、やれても4年後らしい。
土台がしっかりしてないと、上には積んでいけないじゃないか
こんな状況を目の当たりにしていると、最初がしっかりしてなきゃいくら「更新が大事、運用が大事」とか言っても、一番小さな積み木の上に大きな積み木を積んでいくようなもので。
もっともっと、最初に制作する時に今後のことも考えて作るべきだろう。
特に、Webリテラシーの低い層や、更新にあまりたくさんの時間を割けないサイトオーナーさんの場合はより慎重に制作を進めるべき。
というか、そこまでしっかり考えて制作してくれる会社を慎重に選ぶべき。
そういう思いで、「制作6割」って書かせてもらった。
この思いの裏には、私自身が上述した悪い例のサイトを生み出している会社に身を置いていた経験っていうのがある。
その時はその時で、自分では考えているつもりだったけど全然足りなかった。
自分の知識不足もあるし、それを補ってくれる会社のサポート体制もなかった。
常に新規受注ばかりを追い求め、そして担当件数・納品件数のみが自分の評価となり、既存顧客へのフォローは全く評価の対象にならなかった。
そんなことをもう繰り返したくない。
最初にもっと基盤のしっかりしたサイトを作ってこそ、更新・運用が活きてくるのだと信じている。
もちろんこれはあくまで制作者としての視点だから、純粋に運用だけをやっている人の意見は違うかもしれない。それでもいい。だって言っちゃえば全部大事だし。
リテラシーの高いクライアントであれば、9割5分は更新・運用!とか胸張って言えるのだけれど。
というか、そう言えるようになるために、私の今後の仕事の進め方が問われるのだろう。